○熊毛地区消防組合警防規程

昭和63年4月1日

熊毛地区消防組合消本訓令第5号

目次

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 警防計画

第1節 通則(第6条―第8条)

第2節 通常警防計画(第9条―第11条)

第3節 非常警防計画(第12条・第13条)

第3章 警防活動

第1節 通常警防(第14条―第52条)

第2節 非常警防(第53条―第74条)

第4章 訓練(第75条・第76条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この規程は,常時又は地震,台風その他の非常災害時において,消防機能を最高度に活用してその被害を軽減することを目的とする。

(警防区分)

第2条 消防警防は,通常警防と非常警防の2種とする。

2 通常警防は,常時における通常火災の警防とし,非常警防は,大火災又は大火災を起こすおそれのある場合及びその他の非常災害時における警防とする。

(指揮)

第3条 消防長は,消防職員(以下「職員」という。)を指揮して消防警防事務を統括する。

2 この警防事務のため,消防長に事故があるときは次長が,消防長,次長共に事故あるときは,警防課長がその職務を代行する。

(警防体制の強化)

第4条 消防長は,非常災害の発生,火災の拡大等により必要があると認めるときは,非常警防の体制を命ずる。

2 前項の非常警防体制が発令されたときは,職員は,直ちに警戒防御,その他の警防事務を処理しなければならない。

3 通常警防及び非常警防の体制における消防本部職員(以下「本部職員」という。)の警防事務分担については,消防長が別に定める。

(署長)

第5条 消防署長及び分遣所長(以下「署長等」という。)は,消防長の指揮の下に火災の警戒防御その他の消防警防事務を処理しなければならない。

2 署長等に事故あるときは,副署長,副分遣所長又は分隊長がその職務を代行する。

第2章 警防計画

第1節 通則

(警防計画の区分)

第6条 警防計画は,通常警防計画と非常警防計画とに区分して樹立する。

(警防計画の樹立)

第7条 通常警防計画は,署長等が,非常警防計画は消防長がそれぞれ樹立するものとする。

2 署長等は,通常警防計画を樹立したときは,その複製を消防長に提出するものとする。

(危険度)

第8条 警防計画における危険度は,計画対象物の人命に対する危険度の有無,延焼危険の大小及び消防活動の難易等により判断するものとする。

2 危険度は,おおむね次の種別による。

(1) 甲 人命に危険を及ぼすおそれのある特殊建築物及び地域並びに延焼により治安上特に重要な影響を及ぼす地域及び特殊建築物

(2) 乙 延焼のおそれの大きい地域及び特殊建築物

(3) 丙 前各号に掲げる以外の地域及び特殊建築物

3 前項の危険度は,次の色別により図示するものとする。

(1) 甲 赤色

(2) 乙 黄色

(3) 丙 青色

第2節 通常警防計画

(通常警防計画の区分)

第9条 通常警備計画は,次に掲げるところにより作成するものとする。

(1) 地区別警防計画は,地区別警防計画書(別記第1号様式)による。

(2) 特殊建築物警防計画は,特殊建築物警防計画書(別記第2号様式)による。

(地区別警防計画)

第10条 地区別警防計画(以下「地区別計画」という。)は,管轄区域を適当な警防地区に分割し,その地区内における消防事象に適応した警防計画を樹立するものとする。

2 地区別計画は,次の事項を実地に調査して樹立するものとする。

(1) 地理の状況

(2) 水利の状況

(3) 特殊建築別の所在地及び状況

(4) 建築物の粗密及び構造種別

(5) 危険物件の所在及びその状況

(6) 署又は分遣所からの距離

(7) 既往の火災状況

(8) 警防活動の難易

(9) その他警防上の特殊事情

(特殊建築物警防計画)

第11条 署長等は,管轄区域の建築物で次の各号のいずれかに該当するものについて,特殊建築物警防計画(以下「特殊建築物計画」という。)を樹立するものとする。

(1) 木造建築物で建築面積が500平方メートルを超えるもの

(2) 防火建築物で建築面積が700平方メートルを超えるもの

(3) 耐火建築物で建築面積が1,000平方メートルを超えるもの

(4) 耐火又は防火建築物で階層3以上のもの

(5) 危険物の製造所,貯蔵所又は取扱所

(6) 前各号のほか,署長等が特に計画を必要と認めるもの

2 特殊建築物計画は,次の事項を実地に調査して樹立するものとする。

(1) 所在地及び付近の地理水利の状況

(2) 建築物の名称

(3) 建築物の構造,様式,棟数,階数,建築面積及び延べ面積

(4) 建築物の内容物状況

(5) 自衛消防隊の状況及び自衛消防計画

(6) 出火通報設備

(7) 昼夜間別の人員数

(8) その他建築物の特殊事情

第3節 非常警防計画

(非常警防計画)

第12条 非常警防計画(以下「非常計画」という。)は,次に掲げる場合を予想して樹立するものとする。

(1) 気象状況が,火災警報を発令するに至らないが特に火災予防上危険と認められる場合

(2) 火災警報が発令された場合

(3) 焼失戸数10戸又は1000平方メートル以上に拡大した場合

(4) 非常災害が発生した場合

2 前項第3号の計画は地区別に,同項第1号第2号及び第4号の計画は管轄区域全域を1区として樹立するものとする。

3 第10条第2項の規定は,前2項の場合に準用する。

(非常計画の内容)

第13条 非常計画には,次の事項を調査して,その対策を予定しておくものとする。

(1) 最小の消防隊の決定

(2) 防御線の指定

(3) 避難先指定

(4) 水利不便地帯の水利対策

(5) 消防器具の緊急使用対策

2 非常計画には,次の事項について調査研究し,その結果を記録しておくものとする。

(1) 警防情報の収集及び状況の調査方法

(2) 被害調査の方法

(3) 地区別及び特殊建築物の総合危険度

(4) 応援の要否とその程度

(5) 警防資材の確保

(6) 現場指揮及び活動の方針とその方法

(7) 警防勤務の合理化及び機械器具の配置の適正化

(8) 非常呼集予定人員及び参集予定時間

(9) 警防力の確保及び維持

(10) 通信連絡の方法

(11) 通信その他消防施設の保全

第3章 警防活動

第1節 通常警防

(警防活動種別)

第14条 警防活動は,次のとおりとする。

(1) 火災防御活動 建物,林野,車両,船舶,航空機及びその他の火災に関する活動

(2) 救助活動 人命検索,人命救助,避難誘導及びこれらの目的を達成する工作破壊等の活動

(3) 救急活動 傷病者の観察,救急処置,搬送及びこれらに類する活動

(4) 水災活動 洪水,浸水,溢水等による災害に係る警戒,水防及びこれらに類する活動

(5) その他の活動 火災の防除,危害の排除及び誤報,虚報の処理等前各号に該当しない活動

2 前項の警防活動に附帯する活動は,次のとおりとする。

(1) 災害調査 火災原因等の調査及び災害状況,死傷者の消防調査に係る活動

(2) 災害情報収集 指揮及び広報活動に必要な情報を収集する活動

(3) 災害広報 警防活動の円滑化,災害防除のため,災害現場周辺の住民に対して行う広報活動及び報道機関に対する災害状況の発表

(4) 警戒区域の設定 火災警戒区域及び消防警戒区域の設定に係る活動

(5) 補給 災害現場等において警防活動に従事しているものに対する資機材,燃料,食料等の調達,配給に係る活動

(情報収集)

第15条 消防長は,警防上必要があると認めるときは,署長等に警防情報の収集を指示する。

2 署長等は,前項の指示を受けたときは,速やかに情報を収集しなければならない。

(情報の報告)

第16条 署長等は,常に管轄区域の動勢に注意し,警防情報を聞知したときは,資料を収集し,意見を添えて,消防長に即報しなければならない。

(警防情報の発表)

第17条 重要な警防情報及びその対策を報道機関又は関係機関に発表しようとするときは,消防長の承認を得なければならない。

(指令及び緊急報告)

第18条 指令あるいは緊急報告等は,次のとおりとする。

(1) 緊急指令 火災,救急その他の災害等に対し,消防本部から消防隊又は救急隊の出場及び残留警備を命ずる緊急連絡

(2) 調査指令 事後覚知火災の出場並びに災害及び警防情報の収集等の出場を命ずる連絡

(3) 業務指令 警防活動上必要な事務連絡で緊急性を必要とする連絡

(4) 緊急報告 警防情報及び災害即報で特に緊急を要する報告

(5) 現場即報 前号以外の警防情報及び災害即報

(通信)

第19条 消防警防に必要な消防通信の運営については,別に定める。

(出場種別)

第20条 出場種別は,次のとおりとする。

(1) 災害出場 火災,救助,救急,水災,その他の活動を実施するための出場及び緊急配備

(2) 調査出場 事後覚知火災の出場並びに災害及び警防情報の収集等の出場

(3) 訓練出場 警防訓練実施のための出場

(4) 業務出場 警防視察,警防調査のための出場

(5) 搬出 展示等前各号以外の出場

(6) 入工 消防車等の修理,点検,整備のための出場

2 緊急出場は,次のとおりとする。

(1) 前項第1号に該当するもの

(2) 前項第2号のうち,災害調査で緊急性のあるもの

(出場順位)

第21条 災害出場は,第1出場,第2出場,第3出場及び特命出場の4種とする。

2 出場順位は,次の各号による。

(1) 第1出場 火災発生の認知と同時に出場するもの

(2) 第2出場

(ア) 市街地又は火災の程度が中以上の場合又は火災の延焼拡大を予想して,現場上席指揮者の要請により出場するもの

(イ) 火災警報発令中又は出場準備下命中の出場は,当初から第2出場を下命されたものとみなす。

(ウ) 災害が拡大するなど,第1出場の隊だけでは防御活動等が困難なため増強出場するもの

(3) 第3出場

(ア) 火災の拡大を予想して,現場上席指揮者の要請により出場するもの

(イ) 大災害のため,第2出場の隊だけでは防御活動等が困難なため増強出場するもの

(4) 特命出場 消防長の特命又は現場上席指揮者の要請による前各号以外の出場

3 各隊の出場区域及び出場車両については,消防長が別に定める。

(残留消防隊)

第22条 消防長は,管内の火災に全消防隊の出場を要するときでも,後発火災の現場指揮,通信連絡その他に遺憾のないよう最小限度の残留消防隊又は移動配置できる消防隊を予定しておくものとする。

2 消防長は,後発火災に備えて必要があると認めたときは,残留消防隊又は火災に出場している消防隊の一部の消防隊を署又は分遣所に移動配置を命ずることがある。

(残留消防隊の任務)

第23条 残留消防隊等の火災の発見及び通信連絡その他の指揮は,上席指揮者がこれに当たる。

2 残留消防隊等は,出場した消防隊が帰隊して,次の火災に対する出場準備を完了したとき所属の隊に復帰しなければならない。

(非番等職員の参集義務)

第24条 職員は,非番日又は勤務を要しない日であっても火災等の発生を認知したときは,火災等現場に出場しなければならない。ただし,特に参集場所を指示されている者は,当該指示に従わなければならない。

(消防指揮所)

第25条 消防長又は署長は,消防隊の指揮統制を円滑にするため,災害現場に消防指揮所を設置する。

2 消防長が消防指揮所を設置したときは,署長は,自らその指揮下に入り連絡を密にしなければならない。

(災害現場の指揮)

第26条 災害現場においては,出場消防隊は,全て災害現場を管轄する署長の指揮に従うものとする。

2 同一署管内に第2次火災が発生した場合の現場指揮は,消防長の特命により隣接する署長等がこれを行うものとする。

3 災害現場が2以上の署所の管轄区域に及ぶときは,消防長又は上級指揮者が現場指揮を行うものとする。

(安全出場)

第27条 指揮者,機関員及び乗車員は,火災出場に際して,相協力し,法令に従い,消防自動車の事故防止に細心の注意を払いその安全と迅速をきさなければならない。

(出場訓練)

第28条 署長等は,隊員の迅速な出場を演練するため毎月1回以上出場訓練を実施しなければならない。

2 出場訓練は,実際に即し効果的な方法により行わなければならない。

(音響器の使用)

第29条 消防車の音響器の使用は,次のとおりとする。

(1) 火災及びその他の災害に出場する場合は,サイレン及び警鐘を使用する。

(2) 訓練出場の場合は一般に公告したときに限りサイレンを使用する。

(予備配置の要請)

第30条 署長等は,所属の出場車が故障したときは,直ちに消防長に報告し指示を受け予備車の配置を講じなければならない。

2 署長等は,訓練その他により,消防隊を出場させる場合は,事前に消防長に報告しなければならない。

3 署長等は,前項により,消防隊を出場させた場合であっても火災等を認知したときは,直ちに所定の警防活動を開始できるようにあらかじめ連絡の方法を講じておかなければならない。

4 署長等は,毎月消防自動車の性能検査を実施し,消防車の性能保存に努めなければならない。

(臨時配置)

第31条 署長等は,所属配置の人員又は機械に著しい障害を生じ,警備上支障があるときは,人員機械の配置又は出場区域につき,警備上支障のない処置について消防長に申請するものとする。

(現場即報)

第32条 署長等は,火災現場全般の状況を速やかに把握し,その状況に適応するように消防隊の配置を行わなければならない。

2 署長等は,次の事項を消防長に報告しなければならない。

(1) 災害発生地及び目標

(2) 災害の状況,小火,延焼その他火勢の状況

(3) 下命出場の要否

(4) 活動状況,消防自動車の配置,筒先位置,防御体制の推移等

(5) 水利の状況

3 前項の報告後において,次の事項が判明したときは,判明次第逐次報告しなければならない。

(1) 発火元,住所,職業,氏名,年齢

(2) 火災等の程度,罹災棟数,世帯数,罹災者,職業,氏名,年齢,家族数

(3) 損害の程度,焼失面積,損害額

(4) 原因

(5) 発火時刻及び鎮火時刻

(6) その他必要な事項

4 消防長が災害現場に出場したときは,署長は,火災等の状況,各隊の担当部署,防御体制の概況等を報告しなければならない。

(部署の選定)

第33条 各隊の指揮者は,上司の命を受けて,火災の防止に当たらなければならない。ただし,上司の命を受ける時間のないときは,隊員を指揮して,自らその部署を決し,火災の早期鎮圧を期さなければならない。この場合にあっても指揮者は,防ぎょ体制完了後速やかに上司に報告しなければならない。

2 各隊の指揮者は,他隊と密接に連携して,防ぎょに間げきを生じないように留意しなければならない。

(防ぎょ基準)

第34条 火災の防ぎょに当たっては,人命の救助に細心の注意を払うとともに,特に次の各号に留意して,火災の極限防止に努めなければならない。

(1) 火災防ぎょは,延焼防止を主とすること。

(2) 先着隊は,延焼危険の最も大きい方面に部署すること。

(3) 後着隊は,各隊との連携を密にして,各方面に対する延焼危険の度合いを考慮し,濃淡適切な包囲部署とすること。

(4) 先着隊は,直近の水利をとり,後着隊は水量を考慮して,先着隊に支障のないよう水利をとること。

(5) 放水は,努めて2線放水を行い,機械の性能を高度に活用すること。

(6) ホース延長に際しては曲折その他に注意して相当の余裕を取り移動注水に便利なようにすること。

(7) 火勢の状況により,筒先圧力を増減し有効注水を行うこと。

(8) 注水は極めて目標に接近して行い,かつ,注水範囲を広くすること。

(9) 燃焼物の天井裏,壁間,床下等火勢の潜入する箇所は局部を破壊して,有効注水に努めること。

(10) 注水は必要な限度に止めること。

(人命救助)

第35条 署長等は,人命に危険のある災害に対しては時機を失することなく,必要に応じて隊員の一部又は対を特定して人命の救助に従事しなければならない。

2 署長等は,火災等に際して,人命に危険があると認めたときは,その概況及び処置その他必要な事項を消防長に即報しなければならない。

(飛び火警戒)

第36条 署長等は,火災に際して,飛び火のおそれがあるときは,現場にある消防隊の一部を飛び火警戒に当たらせなければならない。

2 消防長は,必要があると認めるときは,飛び火警戒のため,別に隊を指定して防ぎょに当たらせることができる。

(防ぎょ線)

第37条 署長等は,火災が延焼拡大して防ぎょ線による必要があると認めたときは,道路,公園,空地,その他の地形及び耐火建築物等をもって防ぎょ線を構成,延焼阻止に努めなければならない。

2 前項の場合において,適当な防ぎょ線がなく延焼阻止上やむを得ない場合は,消防長の命を受けて防ぎょ上必要な地点を選びその建築物等を破壊して防ぎょ線を構成しなければならない。

(第2次火災)

第38条 第2次火災が発生したときの残留消防隊の出場は,第1次火災で,第1出場又は第2次出場が下命されている場合,出場指令の連絡を受けた隊が出場する。

2 前項の場合,通信指令係は,直ちにその旨を第1次火災現場の上席指揮者に報告しなければならない。

3 現場からの転戦は,現場上席指揮者の命により行わなければならない。

(区域外の火災処置)

第39条 出場後,火災地点が管轄区域外であった場合は,火災の状況によって,火災防ぎょに従事するものとする。

2 前項の場合は,区域外であることを認知した隊は,直ちに無線連絡により消防長に報告するものとする。

(引揚げ)

第40条 署長等は,火勢を判断した上で,消防隊の引揚げを迅速に行わなければならない。

2 引揚げに際しては,署長等は現場点検を行い再燃のおそれのないのを確認し,その状況を消防長に即報しなければならない。

(警戒区域の設定)

第41条 消防警戒区域の設定は,上席指揮者において指示しその統一を図らなければならない。

2 消防警戒上必要があるときは,消防活動終了後もなお引き続き,現場警戒を指示することができるものとする。

(防ぎょ活動の検討)

第42条 消防長及び署長等は,延焼火災又は特異な火災のあった場合,各隊の防ぎょ活動について検討会を開き,講評を行い,将来の警備対策及び教養の資料にするとともに,関係者の参考に供さなければならない。

(警察との連絡)

第43条 消防長及び署長等は,次の事項について,警察署との連絡を保持しなければならない。

(1) 火災出場途上において,避譲しない車両に関すること。

(2) 火災現場付近の警戒に関すること。

(3) 火災原因の調査及び証拠の保全に関すること。

(4) その他必要と認める事項

(各機関との連絡)

第44条 消防長又は署長等は,道路,河川,通信その他消防活動と密接な関係のある官公署及びガス,電気,水道等の供給者との連絡を保持し,消防活動の障害を排除することに努めなければならない。

2 署長等は,前項の連絡について,特に必要な事項があるときはその旨消防長に申請するものとする。

(当務員警戒の実施)

第45条 消防長は,気象状況が悪く,火災予防上危険と認めるときは,出場準備を下命し,当務員をもって厳重に管内の警戒を実施しなければならない。

(出場準備下命時の処置)

第46条 署長等は,前条の出場準備を下命されたときは,次の処置を講じなければならない。ただし,状況によりその一部を省略することができる。

(1) 通信等の勤務員には,特に緊張して服務し,火災の早期発見及び通報,連絡に遺憾のないよう指示すること。

(2) 出場に支障のないよう点呼,機械器具の整備を行うこと。

(3) 通信施設の試験を行い,機能の保持に努めるとともに故障時の処置を講じておくこと。

(4) 管内の特殊対象物その他必要な箇所の所有者又は管理者に電話又は口頭をもって気象状況を通報し,防火について協力を求めること。

(5) 隊員をして,危険地区の巡回警戒を交互に実施させること。

(6) 隊員をして,管内の火災予防の広報を行わせること。

(7) 前各号の実施結果を,速やかに消防長に報告すること。

2 出場準備下命中は前項第5号の警戒を除き原則として外勤を中止すること。

3 第1項第4号の通報先は,事前計画として,消防長に報告しておくこと。

(当務員の増強)

第47条 消防長は,第46条の出場準備を下命した場合,必要と認めるときは,非番員等を1人ないし2人各隊に配置することができる。

(公休,休暇等の停止)

第48条 消防長は,最も火災危険度の高い季節及び必要と認めるときは,一定の期間を指示し,公休,休暇,又は外泊を禁止することができる。

(年末年始警戒)

第49条 年末年始警戒は12月25日から1月5日までの期間行うものとし,実施要領は,その都度消防長が定める。

(特別警戒)

第50条 特別警戒とは,消防長が特別に警戒を実施する必要があると認める場合に行う警戒をいう。

(実施要領)

第51条 消防長は,特別警戒を発令したときは,警戒実施要領を定めて,署長に明示し警戒上必要な処置を命ずる。

2 署長等は,前項の指示に基づいて管轄区域内の実情に応じて,実施細目を定める。

3 署長等は,特別警戒を実施したときは,その都度,結果を消防長に報告しなければならない。

(特別警戒の申請)

第52条 署長等は,管轄区域内において特別警戒を行う必要があると認めるときは,実施要領を策定して消防長に申請するものとする。

第2節 非常警防

(非常警防実施)

第53条 消防長は,大火災が発生したとき,大火災の発生するおそれのあるとき,その他非常災害の発生に際し,通常警防の体制では警防の万全を期し難いと認めるときは,非常警防の実施を命ずる。

(非常警防)

第54条 非常警防は,大火災又は非常災害発生の危険度に応じ次の3種に区分して発令する。

(1) 第1非常警戒

(2) 第2非常警戒

(3) 第3非常警戒

(前条に準ずる例示)

第55条 次の場合はそれぞれ非常警防が発令されたものとする。

(1) 火災が発生して,中火災以上のおそれがある場合において,第2出場が下命されたときは,第1非常警戒を発令したものとみなす。

(2) 災害発生により,有線通信が途絶した場合にあっては第3非常警戒を発令したものとみなす。

(3) 火災警報が発令されたときは,第2非常警戒を発令したものとみなす。この場合呼集されたもの以外の非番等の隊員は自宅に待機するものとする。

(非常呼集の目的)

第56条 消防長は,非常警戒の実施に必要な人員を確保するため,職員を非常呼集する。

(非常呼集の種類)

第57条 非常呼集は非常警戒の種類に応じ,次の3種に区分して所要人員を呼集する。

(1) 第1配備呼集 必要に応じて日勤者の一部を呼集する。

(2) 第2配備呼集 必要に応じて日勤者及び非番職員の半数を所要の部署に呼集する。

(3) 第3配備呼集 職員全員を呼集する。

(警戒と呼集との関係)

第58条 非常警戒と非常呼集は,次の組合せによるものとし,非常警戒の発令には呼集の発令を包含する。解除についてもまた同様とする。

(1) 第1非常警戒と第1配備呼集

(2) 第2非常警戒と第2配備呼集

(3) 第3非常警戒と第3配備呼集

(命令の伝達)

第59条 署長等は,非常警戒の実施命令を受けたときは,警戒種別に応じて,職員に対して命令の伝達を迅速に行わなければならない。

2 非常呼集は電信,電話又は命令をもって行う。

(参集)

第60条 職員は,非常呼集命令を受けたときは,特に指定のある場所のほか所属の隊(本部の職員は本部)に参集しなければならない。

2 職員は,大火災又は非常災害の発生を認知したとき,又はおそれのあることを察知したときは,呼集下命をまつことなく,前項に準じて参集しなければならない。ただし,火災の場合は,特に指定されたもの以外は全て現場に参集するものとする。

3 前項により参集したときは,直ちに所属長は,職員の応呼時刻を記録し,全員参集を終わったときは,電話又は伝令をもって,消防長に報告しなければならない。ただし,火災の場合は,消防活動終了後報告するものとする。

(呼集計画)

第61条 職員の呼集計画は,本部においてこれを樹立し,署長等に通報しておかなければならない。

第62条 火災警報発令信号は,サイレンの他別に定めるところによる。

(警戒)

第63条 署長等は,非常警戒中,次の処置をとらなければならない。

(1) 人員及び機械器具の整備を行い,出場体制を整えてその結果を消防長に報告するものとする。

(2) 随時通信施設の試験を行い,機能の保持に努めるとともに故障時の措置を講じておくこと。

(3) 通信その他の勤務員を特に緊張して服務させ,火災の早期発見及び通報連絡の迅速的確を図ること。

(4) 巡回警戒を実施し,応急消火その他の措置について,広報に当たること。

(非常警戒時の隊の編成)

第64条 非常警戒時の消防隊の編成は,消防長が別に定める。

(非常警防時の消防指揮所)

第65条 消防長は,非常警戒時の消防隊の指揮統制を円滑にするため災害現場に消防指揮所を設置する。

2 第25条第2項の規定は,前項の場合に準用する。

(消防活動)

第66条 消防隊は,非常警戒時に現場に出場したときは,非常計画に基づきその技術技能を最高度に発揮して被害の軽減に努めなければならない。

(臨機応変の措置)

第67条 消防隊は,火勢の状況及びその他の推移並びに消防隊相互間の担当面を考慮し機に臨み,変に応じ,適確敏活な防ぎょ活動を行うよう努めなければならない。

(最悪時の心得)

第68条 消防隊は最悪事態に直面しても,冷静沈着勇猛果敢,必ず火災その他の災害を鎮圧する気概を堅持していやしくも統制を乱し,不安にかられ,部署を放棄することがあってはならない。

(危害防止)

第69条 各隊指揮者は,隊員の危害防止に細心の注意を払い危険を察知したときは,適切な処置を講じなければならない。

(避難誘導)

第70条 上席指揮者は,人的危害発生のおそれがある場合は機を逸することなく消防隊員を特定して人命の救護に当たるとともに,別に定める避難予定地に住民を誘導避難させなければならない。

(避難場所)

第71条 前条の避難場所は,所有者,管理者又は責任者とあらかじめ協議しておかなければならない。

(事前調査)

第72条 各地域防災計画を円滑に実施するため,あらかじめ署長は管轄内における洪水高潮等による浸水,崖崩れその他の危険のある箇所を実地調査し,その状況を消防長に報告しておかなければならない。

2 消防長は必要があると認めるときは,前項について報告を命ずることがある。

(報告の時期)

第73条 各隊指揮者は,各種の報告(情報を含む。)にあっては,その時期を失しないように努めなければならない。

(伝令の派遣)

第74条 各隊責任者は,災害発生その他により,有線通信が全面的に不通になった場合は,伝令1人を本部に派遣しなければならない。ただし,移動無線局が配置された隊にあっては,有線及び無線通信がともに不通となった場合に派遣するものとする。

第4章 訓練

第75条 消防長は,消防警防活動の円熟を図るとともにこの規程と実際の消防戦術との関係の調整を期するために,随時訓練の実施を命ずる。

第76条 署長等は,前条によって訓練を実施したときは,別に定めるところにより,その結果に意見を付し消防長に報告しなければならない。

この訓令は,昭和63年4月1日から施行する。

(平成24年3月5日消本訓令第2号)

この訓令は,平成24年4月1日から施行する。

(平成25年5月9日消本訓令第3号)

この訓令は,平成25年5月9日から施行する。

画像

画像

熊毛地区消防組合警防規程

昭和63年4月1日 熊毛地区消防組合消防本部訓令第5号

(平成25年5月9日施行)

体系情報
第14編 熊毛地区消防組合/第7類 務/第1章
沿革情報
昭和63年4月1日 熊毛地区消防組合消防本部訓令第5号
平成24年3月5日 熊毛地区消防組合消防本部訓令第2号
平成25年5月9日 熊毛地区消防組合消防本部訓令第3号