○週休日の振替等に係る時間外勤務手当の支給に関する取扱い基準
平成7年12月25日
熊毛地区消防組合消本訓令第3号
(目的)
第1条 この基準は,週休日の振替勤務制度の基準が示されたのに伴い,振替勤務に伴う時間外勤務手当の支給基準を定めるものである。
(週休日の振替等)
第2条 週休日の振替等とは,週休日において特に勤務を命じる必要がある場合に,勤務時間が割り振られた日を週休日に変更して当該勤務日に割り振られた勤務時間を勤務することを命じる必要がある日に割り振り,又は勤務日のうち4時間を当該勤務日に割り振ることをやめて勤務を命じる必要がある日に割り振ることをいう。
(時間外勤務手当の支給の必要性)
第3条 地方公務員の給与については,各団体の条例で定められるが,これに加えて,労働基準法(昭和22年法律第49号)の適用があるため,1週間40時間,1日8時間が法定労働時間とされ,これを超えて勤務させる場合には,時間外勤務手当の支給が必要となる。したがって,国家公務員について法定労働時間を超えることにより超過勤務手当が支給されないこととの均衡上,地方公務員について週休日の振替等を行うことにより法定労働時間を超えないようにし,時間外勤務手当の支給が必要ないこととするのが適当であるが,公務の運営上やむを得ず週をまたがって週休日の割振等を行い,法定労働時間を超えて勤務させる場合には,労働基準法第37条により時間外勤務手当の支給が必要となる。
(制度の選択)
第4条 地方公務員について週休日に勤務させる場合としては,次の方法が考えられる。
(1) 週休日に正規の勤務時間を割り振ることをせず,正規の勤務時間を超えて勤務する場合の時間外勤務手当を支給する方法
(2) 同一週で週休日の振替等を行うこと等により週の勤務時間を法定労働時間以下になるようにする方法
(3) 週をまたがって週休日の振替等を行い,週の勤務時間が法定労働時間を超えることにより,週の勤務時間が法定労働時間を超えた場合の時間外勤務手当を支給する方法
このうちどの方法を選択するかは,次の点に留意して任命権者の判断で決定する。
ア 勤務時間条例の制定の趣旨の1が総労働時間の短縮にあり,週40時間制の原則の明示等現行制度の再編整備にあることに鑑みれば,(1)により,安易に勤務時間を増やすべきでないこと。
ウ その他,財政的負担についても勘案することが必要であること。
(休日がある場合の取扱い)
第5条 週休日の振替等により職員に勤務時間が割り振られた週に休日があり,当該職員が休日勤務を命じられて休日勤務手当が支給された場合においては,これを考慮する必要がある。すなわち,労働基準法第38条においては,法定労働時間を超えて勤務した時間に対して割増賃金を支給する必要があることとされているが,休日勤務手当が支給された時間については,既にこの割増賃金が支給されているものと考えることができるため,割振り変更前の正規の勤務時間を超えて勤務した場合においても,次のように時間外勤務手当の支給の必要のない場合がある。
(1) 週の勤務時間が法定労働時間に当該休日勤務した時間を加えた時間以下になるときにおいては,割振り変更前の正規の勤務時間を超えて勤務した時間については,休日勤務手当が支給されたことにより労働基準法第38条の割増賃金が支給されているものと考えられるため,時間外勤務手当を支給する必要がない。
(2) 週の勤務時間が法定労働時間に休日勤務した時間を加えた時間を超えるときは,割振り変更前の正規の勤務時間を超えて勤務した時間のうち,休日勤務した時間に相当する時間については,休日勤務手当の支給により既に割増賃金が支払われているものと考えられるため,時間外勤務手当を支給する必要がない。
次に,週の勤務時間が法定労働時間に休日勤務した時間を加えた時間を超える場合については,時間外勤務手当を支給する必要があるが,これについては,割振り変更前の正規の勤務時間が法定労働時間を超えるものであるかどうかによって判断されるものである。
(祝日と重なった土曜日における勤務)
第6条 週休の振替を行って当該土曜日に勤務した職員には休日勤務手当の支給があるため,他の職員と平等の取扱いの観点から疑問をもたれる向きもあろうが,週休日の振替等の制度が設けられた趣旨に鑑みると,週休日に勤務させる必要がある場合には,できるだけこの制度を用いるべきと考えられる。この場合,週休日の振替により祝日の土曜日に勤務を行う職員と,振替を行わず当該土曜日に時間外勤務命令により勤務する職員を比較すると,休日勤務手当,時間外勤務手当の支給額は,
(勤務1時間当たりの給与額)×1.35×8時間
であり同額である一方,休日数は振替を行った職員のほうが1日多くなるため有利であると思われること等若干の疑義を感じるかもしれないが,本来,休日勤務手当の支給そのものは,いわば事後的なものであり,週休日の振替制度の運用と一体化したものでなく,中立的なものである。従って,週休日の振替後に休日勤務を命じ,代休日を指定することも差し支えない。
(週休日の振替等に係る時間外勤務手当の支給原則及び方法)
第7条 毎日勤務の者の支給の原則は,週の勤務時間が法定労働時間を超えていることとし,3部勤務の者については,週の勤務時間が法定労働時間を超え,かつ,1週間の正規の勤務時間を超えていることである。なお,週休日の振替等に係る時間外勤務手当の支給に関しては別紙により取り扱うものとする。
附則
この訓令は,平成8年1月1日から施行する。